ビック・ハート柏
障害者就業・生活支援センター ビック・ハート柏は、柏市および我孫子市に在住する障害を持つ方々の就労と生活を包括的に支援する専門機関です。本センターは、一人ひとりの個性に寄り添いながら、障害者の「働きたい」という願いを実現し、地域社会での自立した生活をサポートするために多角的な支援活動を展開しています5。障害種別を問わず、就労に関する悩みから日常生活の課題まで、幅広い相談に対応し、関係機関との連携を通じて継続的な支援体制を構築しています。
基本情報と設立背景
障害者就業・生活支援センター ビック・ハート柏は、2006年4月に設立された障害者支援専門機関です。柏市柏3-6-21の柏ビル302号室に位置し、JR常磐線および東武野田線の柏駅東口から徒歩約5〜7分とアクセスしやすい場所にあります。電話番号は04-7168-3003、FAX番号は04-7168-3006で、メールアドレスはcenter@big-heart.jpとなっています。
センターの受付時間は平日9:00から18:00までで、土日祝日および年末年始は休業しています。なお、センターには専用の駐車場が設けられていないため、公共交通機関の利用が推奨されていますが、車でのアクセスが必要な場合は付近の有料駐車場を利用する必要があります。
このセンターは、障害者の就業および生活に関する地域の中核的支援機関として、柏市と我孫子市を活動エリアとし、地域で安心して働き暮らすための総合的なサポートを提供する役割を担っています。設立以来、地域の障害者支援ネットワークの中心として機能し、多くの障害者の就労と生活の自立を支えてきました。
提供サービスの詳細
就業支援サービス
ビック・ハート柏では、障害のある方の就労に関する多岐にわたるサポートを提供しています。ハローワークや各市の保健福祉センター、地域の様々な支援機関と連携しながら、障害者の「働きたい」という希望を「働いている」状態へと変えるための包括的な支援を行っています。
具体的なサービス内容としては、就業支援、定着支援、面談、作業支援、送迎などが含まれており、障害特性に応じた適切な職業訓練や職場実習の提案も行っています。センターは職業紹介を直接行うわけではなく、ハローワークなどの関係機関と連携して就業機会の創出に貢献しています。
支援対象者は、精神障害、発達障害、身体障害、知的障害など様々な障害をお持ちの方となっており、それぞれの特性や希望に応じた個別支援を心がけています。求人情報によると、就労支援スタッフは月給171,200円〜193,100円で募集されており、障害者の就業と生活に関する業務全般を担当しています。
生活支援サービス
就労面だけでなく、生活面でのサポートも重要な柱となっています。令和6年11月22日に開催された「自立して生きていくために〜生活面でのサポート〜」というテーマのイベントでは、柏市役所障害福祉課、柏市くらしコーディネーター、松戸圏域グループホーム等支援ワーカーなどの専門家を招き、生活面でのサポート体制について情報提供とグループワークが行われました。
また、例えば就労定着支援事業所からセンターへの引継ぎケースでは、定期的な面談や企業訪問を通じて、継続的な職場定着と生活の安定を支援しています。ケーススタディでは、H・Sさんという32歳の男性が、定着支援事業所からビック・ハート柏に引き継がれ、転職の相談から現職での継続就労に至るまで丁寧にサポートされた例が紹介されています。
支援体制と連携の仕組み
関係機関とのネットワーク
ビック・ハート柏は、地域の様々な支援機関と緊密な連携を図り、障害者支援のネットワークを構築しています。ハローワーク、保健福祉センター、就労移行支援事業所、就労定着支援事業所、特別支援学校など多様な機関との協力体制を確立し、総合的な支援を実現しています。
特に注目すべき連携事例として、就労定着支援事業所からビック・ハート柏への円滑な引継ぎプロセスがあります。PDFの事例では、就労定着支援事業の期間終了3ヶ月前から連絡を取り合い、2ヶ月前からは同行支援を通じて徐々に引継ぎを行うという丁寧な連携の様子が描かれています。
個別支援の実施体制
支援にあたっては、一人ひとりの障害特性や生活環境、就労状況に応じた個別支援が基本となっています。「ひとりひとりの個性に寄り添いながら就労をサポートしています」というセンターの理念に基づき、きめ細かな対応を心がけています。
具体的な支援プロセスとしては、初回の相談(インテーク面談)から始まり、就労前の準備支援、就職活動の支援、職場定着のためのフォローアップまで一貫したサポートを提供しています。また、定期的な企業訪問を通じて職場での課題を早期に発見し、適切な対応策を講じることで長期的な就労継続を支えています。
活動内容と取り組み
イベントと研修会
ビック・ハート柏では、障害者本人向けの講座や交流会、企業担当者向けのセミナーなど多彩なイベントを定期的に開催しています。令和7年(2025年)の予定を見ると、2月には「ストレス・不眠に効果のある食材をおいしく食べよう!」という料理講座や、「レクリエーションとクイズ大会」などが計画されています。
また、令和7年2月7日には「特性を知り、戦力に繋げた事例〜うつ、双極性障害の基礎知識〜戦力化に繋げた事例『皆で支える働き方』」というテーマで企業向けセミナーが開催予定です。こうしたイベントを通じて、障害に対する理解促進や企業の受け入れ体制強化に取り組んでいます。
特色ある支援プログラム
令和6年10月には「ゼンタングル(初級)をやってみましょう!!」という創作活動の講座を開催するなど、就労支援にとどまらない幅広い活動を展開しています。また、令和6年12月7日には療育手帳をお持ちの在職中の方を対象に、「リサイクルについて学ぼう」という講座と「DartsUp(ダーツアップ)柏店」での食事会・ダーツ大会を組み合わせたイベントも予定されています。
これらの活動は単なる余暇支援にとどまらず、社会性の向上やストレス管理、コミュニケーション能力の強化など、就労継続に必要なスキルの向上にも寄与しています。多様なプログラムを通じて、障害者の社会参加と自己実現を多角的に支援しているといえます。
利用方法と対象者
支援対象となる方々
ビック・ハート柏の支援対象は、主に柏市および我孫子市に居住する障害者となっています。障害の種別としては、精神障害、発達障害、身体障害、知的障害(療育手帳所持者)などが含まれ、それぞれの特性に合わせた支援を提供しています。
イベント情報を見ると、療育手帳をお持ちの方向けのレクリエーションや、精神障害・発達障害・身体障害をお持ちの方向けの講座など、障害種別に応じた多様なプログラムが用意されています。また、「働いている方」「企業の方」「支援機関の方」からの相談も受け付けており、障害者の就労にかかわるすべての関係者を支援対象としています。
利用の流れと手続き
センターの利用を希望する場合は、まず電話やメールでの予約が推奨されています。センターへの登録後、インテーク面談を実施し、個々の状況やニーズを詳細に把握することから支援が始まります。
イベントや講座への参加には事前申込みが必要なものが多く、「要事前申込」と明記されています。申し込み方法は電話(04-7168-3003)やメール(center@big-heart.jp)で受け付けており、各イベントごとに担当者が設定されています。
地域社会における役割と展望
地域貢献と社会的意義
ビック・ハート柏は、障害者の就労と生活を包括的に支援することで、地域社会における障害者の自立と社会参加を促進する重要な役割を担っています。「就労支援スタッフとして地域への貢献をはじめませんか?」という求人文からも3、地域貢献を重視する姿勢がうかがえます。
またセンターの活動は、障害者個人の支援にとどまらず、企業の障害者雇用促進や地域全体の障害理解の促進にも寄与しています。企業向けセミナーの開催や、障害特性に応じた職場環境調整の支援など、雇用側と障害者の双方を支える取り組みは、インクルーシブな社会づくりに貢献しています。
今後の課題と発展方向
PDFの事例では、就労定着支援事業所の月1回の面談のあり方が問われるケースとして、支援内容の質の確保が課題として指摘されています。形式的な訪問にとどまらず、実質的な支援の質を担保していくことが今後の重要な課題といえます。
また、就労支援と生活支援を一体的に提供することの重要性も示唆されており、今後はさらに包括的で継続的な支援体制の構築が期待されます。企業、家族、医療機関、福祉サービス提供事業所などとの多角的な連携を強化しながら、障害者の社会参加と自立を総合的に支えていく役割が一層重要になると考えられます。