松戸市自立相談支援センター
松戸市自立相談支援センターは、経済的困窮や生活上の様々な課題を抱える方々を対象とした総合的な支援窓口です。生活困窮者自立支援制度に基づき、経済的な不安を抱える方々がより良い生活を取り戻すための多角的な支援を提供しています。相談者の個別状況に合わせた支援計画の策定から実行までを、専門スタッフが丁寧にサポートする体制が整えられています。
センターの概要と設置背景
松戸市自立相談支援センターは、平成27年(2015年)4月からスタートした生活困窮者自立支援制度の一環として、松戸市社会福祉協議会が市から受託する形で開設されました。単に経済的な問題だけでなく、さまざまな生活上の困りごとを抱える方々を広く対象としており、経済的な不安を抱え、今後の生活が立ち行かなくなるおそれがある市民に対して包括的な支援を提供する役割を担っています。
所在地と連絡先情報
センターは市民にとってアクセスしやすいよう、松戸市役所本館3階に設置されています。
具体的な所在地は松戸市根本387番地の5で、電話番号は047-366-0077、FAX番号は047-366-0550となっています。相談受付時間は月曜日から金曜日の午前9時から午後5時までで、土日祝祭日および年末年始は閉館しています。また、窓口の混雑を避けるため、来所前に電話連絡をすることが推奨されています。
運営体制と専門スタッフ
センターの運営体制は、所長1名、主任相談支援員1名、相談支援員7名、事務職1名という構成になっています。各スタッフは生活困窮問題に関する専門知識を持ち、相談者一人ひとりの状況に合わせた細やかな対応を行っています。また、令和7年(2025年)4月1日からは受託事業所が変更される予定ですが、窓口および電話番号は変更なく継続して利用できる予定です。
提供されるサービスと支援内容
松戸市自立相談支援センターでは、様々な経済的困難や生活課題に対して多角的なサービスを提供しており、生活再建に向けた総合的な支援を行っています。
自立相談支援事業
センターの中核となるサービスが自立相談支援事業です。ここでは、経済的な問題や生活上の様々な困りごとについて、専門の相談支援員が丁寧に話を聞き、状況を整理しながら解決に向けた支援を行います。相談内容は多岐にわたり、収入・生活費、住居、就労、健康問題など、生活全般の課題に対応しています。
住宅確保給付金事業
住まいの問題を抱える方に対しては、住宅確保給付金事業を実施しています。これは離職などにより住居を失った方、または失うおそれのある方に対して、家賃相当額を一定期間支給する制度です。住居の安定確保は自立に向けた重要な基盤となるため、このサポートは特に重要視されています。
生活困窮対策関連事業
センターは家計相談、就労準備支援事業、学習支援事業などの生活困窮対策関連事業の窓口としても機能しています。特に就労支援においては、個別相談を通じて自己理解を深め、自分に合った就職を見つけるための手助けや、生活習慣の改善に向けたプログラムも提供しています。これには時間管理や社会的なルールの理解、規則正しい生活リズム作りの指導などが含まれています。
相談・支援の流れ
松戸市自立相談支援センターでは、相談から支援実施まで体系的なプロセスを通じて一人ひとりの状況に合わせた支援を行っています。
初回相談から支援計画の策定まで
相談支援の流れは、まず初回相談から始まります。センターでは窓口の混雑を防ぐため、なるべく電話連絡をしてから来所することが推奨されています。初回相談では、生活費や住居、就労問題、健康問題など、抱えている悩みを相談員が丁寧に聞き取ります。
相談内容をもとに、適切な支援方法が判断されます。他の制度やサービスの窓口を紹介するケースもありますが、継続的な支援が必要と判断された場合は、問題解決に向けた支援計画(プラン)が相談者と相談員の協働で作成されます。
支援調整会議と支援の実施
作成された支援計画(プラン)は、複数の関係者が参加する支援調整会議において、その適切性が確認・調整されます。この会議を経て確定した支援計画に基づき、相談員と一緒に問題解決に向けた取り組みが始まります。支援過程では、定期的な面談や他機関との連携を通じて、状況の変化に応じた柔軟な対応が行われます。
実績と相談内容の傾向
センターの活動実績から、地域における生活困窮の実態と支援ニーズが見えてきます。
相談件数と主な相談内容
平成27年度の実績によると、相談者実人数は1,051人、延べ相談数は5,138件に達しています。これは1日あたり約20件の相談が寄せられていることを示しており、地域における支援ニーズの高さが表れています。
相談内容を見ると、「収入・生活費について」が692件と最も多く、次いで「家賃やローンの支払いのこと」267件、「仕事探し、就職について」262件と続いており、経済的な問題と住居・就労に関する相談が中心となっています。また、「病気や健康、障害のこと」248件、「住まいについて」241件、「税金や公共料金等の支払いについて」161件など、生活全般にわたる多様な相談が寄せられています。
センターの特徴と強み
松戸市自立相談支援センターには、他の支援機関にはない独自の特徴と強みがあります。
アクセスの良さと行政連携
センターの大きな特徴の一つは、市役所本館内に設置されていることによるアクセスの良さです。市役所は多くの市民が訪れる場所であり、他の行政手続きと合わせて相談できる利便性があります。また、行政部門と同じ建物内にあることで、各種手続きや支援に関して迅速に連携した対応が可能となっています。
包括的支援体制
もう一つの強みは、市社会福祉協議会が運営していることによる包括的な支援体制です。社会福祉協議会が行う貸付事業や日常生活自立支援事業と連携することで、経済面だけでなく、生活全般にわたる総合的な支援が可能となっています。これにより、複合的な課題を抱える方々に対しても、一体的かつ継続的な支援を提供することができます。